デジタルアンプ用空芯トロイダルコイルの製作


最近はD級アンプと言ってもフィルタレスが多くなり
コイルを必要とするD級アンプICはそんなに多くはなくなりました。

多くの先人により語り尽くされているともいえるD級アンプの
コイルについてです。


◆注意◆
自作・改造のお約束「自作・改造は自己責任」
これが守れない人は自作・改造はやらないで
自作・改造による直接・間接の被害についてHAL900は一切責任を負えません。 
本記事はあくまでアイデアを提供するものです。
自作のコイルで「音が良くなる」とは言い切れません。

本記事で提案しているコイルについて質問、報告等歓迎します。
特にHAL900は測定環境と呼べるものは無いので
環境をお持ちの方はぜひお願いします。


1.本記事にて作成するコイルを作成する前の予備知識

    デジタルアンプの作動原理についてざっと説明。     デジタルアンプは下記のような流れで入力信号をいったんデジタル信号に変換し     増幅した音をデジタルの高周波の搬送波として出力します。               入力信号(アナログ)         ↓     IC内でデジタル信号に変換         ↓     高周波にアナログ信号に相当するPWM変調をかけてICから出力         ↓     外付けのローパスフィルタ(以下LPF)     でアナログ信号に復調         ↓     スピーカーにアナログ信号が届く               自分がデジタルアンプ作成で使ったIC、トライパス製TA2020-020で説明しますが     LPFはコイルとコンデンサで構成されていて     デジタル信号をスピーカーが受け取ることの出来るアナログ信号へ変換すると同時に     スピーカーユニットにとって有害な高周波を除去する役目も果たしています。           01          デジタルアンプの音質を決める上でLPFの設計は大切な部分です。     本記事ではLPFで使われているコイルについて触れていきます。

2.コイルの種類と特徴

    D級アンプのLPFで使用される事の多いコイルの種類          ■フェライト芯ソレノイド      フェライト及び鉄心に円筒状に線を巻きつけたコイル。      外周を磁性体で覆った防磁タイプもある。      02      長所      ・コイルを小さく出来る      ・入手性が良い      ・安い      ・DCR(直流抵抗)が小さい      出力重視を重視する場合重要      ・防磁タイプは外部ノイズに強い           短所      ・SN比が悪い      フェライトを挿入したコイルは周波数があがるほど特性が悪くなる。      D級アンプの場合搬送波がスピーカーにまで伝わり音が歪む結果を生む。      ・磁気飽和を起こす      定格では問題ないコイルも瞬間的に入力を大きくしたとき      フェライトが磁気飽和を起こし、本来の性能が出ないときがある。      ・熱特性が悪い      発生する電力損失はフェライトによるものになるので      発生する熱でイングタンスが変化する。          ■空芯ソレノイド           円筒状に線を巻きつけたコイル。      芯には空気と同等の透磁率の非磁性体が使われることが多い。      03           長所      ・SN比が良い      ・設計のやり方が比較的簡単に公開されている      ・耐電力が大きい           短所      ・DCR(直流抵抗)が大きい      ・外部ノイズに弱い      ・外部に多くのノイズを放出する      ・コイルが大きい      ・入手性が悪い      スピーカーネットワーク用の物は市販されているが      D級アンプ用のイングタンス値の物は市販されているところを見たことが無い          ■トロイダルコアコイル           ドーナツ状のフェライトコアに線を巻きつけたコイル。      フェライト芯だけでも市販されている。           長所      ・外部への磁気の漏れが少ない      ・外部のノイズに強い      ・設計のやり方が比較的簡単に公開されている      フェライト芯のデータシートに巻数とイングタンスの関係が載っている。      ・インダクタンスの安定性・再現性が高い      ・DCR(直流抵抗)が小さい           短所      ・入手性が悪い      トロイダルコア自体は入手性が非常に良いが      D級アンプ用のイングタンス値の物は市販が少なく      自分で線を巻く必要がある場合が多い      ・自分で線を巻くのが大変           04               ■それぞれの特徴を踏まえて           上の3種類の違いは芯の有無、巻き方です。      組み合わせ上ありそうで市場に全然出ていないコイル      「空芯トロイダルコイル」      を作成してみました。

3.空芯トロイダルコイルの特徴

     05 ■長所 ・外部への磁気の漏れが少ない ・SN比が良い ・耐電力が大きい ■短所 ・設計が困難 計算による設計方法が公開されていないため 試行錯誤が必要。 測定器の無い環境での作成が不可能。 「ホームレスこ〜よ〜」のみなと氏が空芯トロイダルコイルの イングタンスの近似値の計算式を作成されました。 このページの一番下、「参考資料」を参照。 ・入手性が悪い 市販されていないため作成しないと無い ・自分で線を巻くのが大変 ■それ以外の特徴 ・大きさは空芯ソレノイドとトロイダルコアの中間くらい ・DCRも空芯ソレノイドとトロイダルコアの中間くらい ・空芯ソレノイドに比べ外来ノイズに強くなるが、フェライト芯入りコイルほどではない

4.イベント頒布物について

「コイル作成記について」 再版はしません在庫限りとなります。 頒布コイルについて 在庫切れ、もう作りたくありませんw 頒布のコイルの仕様 ■イングタンス:10μH±3%     (マッチド公差±0.5%) ■耐熱:-25℃〜+85℃ ■絶縁抵抗:DC1kV 100MΩ以上 ■直流抵抗:0.13Ω±10% ■イングタンス測定周波数:約670Hz ■許容電流(温度上昇によるもの):3A   直流電流による自己発熱が20℃の電流値 ■サイズ:25(W)×15(L)×25(H)      リードピッチ10.2o(詳細は図面参照)      半田メッキリード径φ0.8o ■重量:10g ■磁気シールド:無し ■巻き始めマーク:あり(図面参照)    アンプ搭載時は巻き始めをスピーカー側(出力側)に接続

5.参考資料

直リンの許可がページに記載されていないサイトは 下記アドレスに「h」を追加して飛べます。 「ホームレスこ〜よ〜」のみなと氏が空芯トロイダルコイルの イングタンスの近似値の計算式を作成されました。 どんなことでもつっこみを入れてもらえるのはありがたいことです。 今回はありがとうございます。 ttp://www.yousendit.com/download/bFFOckhVMVhOQnp2Wmc9PQ ワード形式のファイルです。


e-mail:hal-900(a)mail.goo.ne.jp((a)を@に書き換えてください)
Sinse 2009/01/**
MYシンフォニーTopへ戻る